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Column 一青妙さんコラム

一青妙さんコラム

 最終日のコースでは午前中に日本最古の可動橋である長浜大橋を渡る。真っ赤に塗られていることから、同じ赤い色の橋である台湾の雲林にある西螺大橋を連想した。

 昼食は南予の内子町でとった。名物の内子豚とたっぷりの新鮮野菜、ふかふかのパンでお腹も大満足。

 昼食後は白壁の町並みが残る内子町を散策。どこからか、ブラスバンドが奏でる「ふるさと」が流れてきた。昨年創建100年を迎えた芝居小屋の「内子座」から漏れ聞こえたものだった。かつて木蝋の生産によって栄えた内子には、白壁の町家や豪商の屋敷が当時のまま残され、内部のみをリノベーションした、カフェや雑貨店が軒を連ねていた。

「あ、四国1000キロ一周している人たちだ」
 ランドセルを背負った下校途中の小学生たちから声をかけられた。PR隊が四国を回っていることは、各県のニュースで流れているので、それを見たのだろう。情緒あふれる町並みと小学生たちの声援に癒された。

 そうこうしているうちに、四日前に出発した愛媛県庁に戻り、ツアーもクライマックスを迎えようとしていた。夕方5時近い県庁は人影も少なく、出発した早朝とはまた違う表情をしている。県庁前で四国一周完走のポーズを取り、記念写真を撮ったが、本当のゴールである道後温泉に向け、出発した。

 浴衣姿の人たちに混じり、道後温泉本館前で1000キロポーズを決め、お互いを讃えあった。

 四国一周は約1000キロ。四日で1000キロを完走することはかなり無理があるので、今回はバスに乗って移動した部分も多い。しかしながら、実際にぐるっと四国を周り、距離感や地形が本当に台湾と似ていることを実感した。
 台湾の西側半分が四国の愛媛から香川、徳島までで、台湾の東海岸は四国で東西に伸びる高知県によく似ている。

四日間1000キロを一人で
運転し続けてくれた運転手さん
今回のツアーの専属カメラマン
小見哲彦さんはかなり個性的で最高!
常にご当地グルメを配ってくれた
フジトラベルサービスの岩田健志さん

 各県で文化や食が異なるところも、台湾の多様性によく似ている。
 違うのは、今回走った四国一周のルートの方が、台湾の環島よりも圧倒的に海岸線が多いことだ。しかも台湾で海岸線を走るときは、海と道の間にかなりの距離があるけれども、四国一周の道は、海に限りなく近かった。
 台湾人が台湾を一周することは、自分たちの住む台湾という場所を知り、台湾人であるというアイデンティを認識する作業が含まれている。だからこそ、完走したとき誰もが感無量となるのだと思う。
 ところが、台湾と同じ島国である日本人は、日本人であることを考えることが、台湾人に比べれば圧倒的に少ない。歴史的背景によるものが大きいので、一概にどちらが良いとは言えないが、少なくとも私は、今回の四国一周で、日本の歴史について知らないことが多すぎることを自覚した。四国一周のサイクリングを通して、四国の歴史や食文化に触れることができる。そこから日本人であることも、意識するようになる。お遍路姿で黙々と歩みを進める人々を目の当たりにして、考えたことも多々ある。
 まさに台湾一周と同じ感覚だ。「認識台湾」から「認識日本」へのきっかけを作ってくれたのが、今回の四国一周だった。
 もしかすると、四国の人とっても「認識愛媛」や「認識高知」から、この四国一周サイクリングを通して「認識四国」に至るのかもしれない。四国の人でも、じっくり四国一周をしたことがある人は少ないと聞く。

今回のツアーは食べることがメイン!?
ひたすら食べたり、お土産に買ったりしたものたち

「四国一周サイクリング」は始まったばかりだ。中村知事の語る「種まき」の瞬間に立ち会えたことが嬉しい。今後、各県の調整で、さらに魅力的なルートができるだろう。数年後には、日本全国だけでなく、台湾からも多くのサイクリストたちが四国を訪れ、四国一周を楽しむ姿を見ることができるに違いない。
 これから私は、四国一周サイクリングPR大使として、特に台湾の人たちに向けて各県と四国全体の魅力を伝えていきたい。そして、一人でも多くの台湾や海外の人が、四国を自転車で走ってくれるよう、微力ながら頑張っていきたい。
 最後に一言。
「我愛台湾,我愛四国。我愛環島,我愛環四国!」
(台湾が好き、四国が好き。台湾一周が好き、四国一周が好き!)

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