Youth Project 若者応援プロジェクト2025
若者たちの四国一周2025
9日目 高知県・四万十市〜宿毛市
街中で男女ひとりずつのお遍路さんを追い越し、ふたりは四万十川の河口へと下る。広大な川面はまるで海のようで、そのスケールに思わず息をのむ。
四万十川の河口を目指していた道、山間に入ると次に現れたのは海だった
やがて道は山間部へと向かい、じわじわとした登りが続く。木々の切れ間から海が見えた瞬間、ふたりは声を上げた。今日の目的地は四国最南端・足摺岬。ここまで約40キロ。旅も9日目を迎え、疲労の色は濃い。佑輝さんの表情は険しく、俊介さんは両足に湿布を貼っている。
大岐の浜展望所からの眺め、広い砂浜が広がっていた
足摺岬を目指して山道を上る
疲労が蓄積している俊介さんの脚には湿布が貼られていた
足摺岬の直前には木々のトンネルがあった
足摺岬を望む展望台からシャッターを押す俊介さん
岬にたどり着くと、絶壁の上に立つ展望台から壮大な光景が広がっていた。岩に砕ける波が白い模様を描き、太平洋の果てしなさを感じさせる。白山洞門では自然の力が穿った巨大な岩穴に圧倒され、松尾漁港の「海老洞」では、自転車でなければ辿り着けないような細道を進んだ。その先に広がる静かな入り江は、まさに“旅してきた者”だけが見られる景色だった。
波に打たれる岬の荒々しい様子、自然の厳しいさまを肌で感じる
「白山洞門」に向けて自転車を進める
小さな漁村、松尾漁港の「海老洞」は独特な雰囲気を醸す洞窟。自転車だから見られる景色があった
さらに「鵜の岬展望台」や「竜宮神社」にも立ち寄り、岬を存分に堪能した。だが景勝地を巡るうちに3時間が過ぎ、この日最後の目的地であった「道の駅すくも」には間に合わないと気づく。「おわた!」と笑い合いながらも、ふたりはペダルを踏み続けた。
この日、前を走る背中がいつもより遠く見えた。それでも、ペダルを止める様子はなかった。
細く急な集落の道を上るふたり
鵜の岬展望台を越えて次の目的地へ
荒波に削られてできたスケールの大きい断崖に建てられた「龍宮神社」を訪れた
足摺半島を抜けるころ、ついに雨が降り出した。通り雨をやり過ごし、「道の駅 めじかの里 土佐清水」でひと息。昼食はとらず、アイスとかき氷で空腹をしのぐ。財布の中身も気になるようで、「バイト始めないとな」と笑い合う姿が印象的だった。
「道の駅めじかの里土佐清水」で補給
叶岬を越えて山間部へ。ゆるやかだが長い9キロの登りが続く。太ももに筋肉痛を抱える佑輝さん、ふくらはぎに湿布を貼る俊介さん。これまでで最も厳しい区間だ。だが俊介さんが前を走り、佑輝さんを引っ張る。その背中には、先輩としての責任と、仲間を思う優しさがにじんでいた。




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